Anvers Winesではワインの質もさることながら、外観やボトルについても非常にこだわっています。
プレミアムワインのシリーズではボトルは高品質なイタリアの壜メーカーからの輸入品を使っています。
ブラボー・シリーズなどのエントリーラインナップに関しても。オーストラリア国内の大手壜メーカーから良質な壜を仕入れています。
ラベルについても同様で、オーストラリア国内のラベル印刷業者を選別し、高品質なラベルを購入しています。
また、Anversの顔ともいえるプレミアム・ワインである「ザ・ウォリアー」では、ボトルのガラス表面に直接印刷する技法を用い、スクラッチにも強い高級感あふれるワインボトルにて提供しています。
こういったAnversのボトルでひときわ目を引くのはこのシンボルマークでしょう。
この引きちぎった手首を持っている人物の名前は、シルヴィウス・ブラボー(Silvius Brabo)といい、Anvers Winesの名前の由来となったベルギーのアントウェルペン(アンヴェルス、アントワープ)の伝説に出てくる人物です。
(これについてベルギー・ビールの販売をしてらっしゃる方にご教唆いただきました)
伝説によると、かつてスヘルテ川の川岸に住んでいた巨人アンティゴーンが川の通行料を求め、応じないものの手首を切り落としていましたが、ローマの戦士シルヴィウス・ブラボーがアンティゴーンを倒し、逆にその手首を切り落として川に放り投げ、一帯に平和がもたらされた。
このような伝説から、シルヴィウス・ブラボーはアントウェルペンを象徴する英雄とされ、市役所前にはこれを記念する彫刻の噴水と広場が設けられています。
ワインとメリアムのコーガン夫妻がワイン生産を始める際、メリアム夫人の故地であるアントウェルペンのフランス語系Anversをそのブランド名としました。(Anversを英語読みして「アンヴァース」と読みます)
(Photo by John Paul Antes “Statue of Silvius Brabo” availble Wikipedia Commns)
単に夫人の故郷から名前を取っただけでなく、これは従来のオーストラリアのワインのイメージにとらわれないワイン作りを象徴しているといえます。
Anvers Winesのシラーズは、いかにもなオーストラリアン・シラーズではなく、むしろ南仏のシラーのイメージという評価を受けることが多くあります。
現在ンのラインナップのシリーズを眺めてみますと、エントリーレベルがブラボー・シリーズです。
この綴りが、喝采の声を上げるBravoではなく、Braboなのは、もちろんアントウェルペンの英雄シルヴィウス・ブラボーからとっているからです。
また、プレミアム・ワインの「ザ・ウォリアー」という名称はもちろん彼が戦士であることに由来しています。
こうしてみると、エントリーレベルのブラボー・シリーズもプレミアムの「ザ・ウォリアー」も、Anvers Winesのシンボル的存在からとられていることが分かります。
つまり、Anvers Winesにとってはプレミアムワインであっても、エントリーワインであっても、ワイナリーの顔であるわけです。
これはいわば、エントリーレベルといえども、大量生産に流されずに、高品質なワインを生産するというAnvers Winesのポリシーを表しているといえるでしょう。